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AR未来予想図 Vol.1 ARはエンタメだけのもの? 進化したAR活用のカタチを考えよう。

AR未来予想図 Vol.1 ARはエンタメだけのもの? 進化したAR活用のカタチを考えよう。

テーマパークでのAR(拡張現実)活用が進んでいます。例えば、USJにある『マリオカート 〜クッパの挑戦状〜』。ARを活用することによって、人気ゲーム『マリオカート』の世界を体験することができます。長崎のハウステンボスにある『ジュラシックアイランド』では、パークが所有する無人島で、襲いかかってくる恐竜を特殊な銃で撃退するという、なんとも恐ろしい世界がARによって繰り広げられています。

今回は、AR活用が進むテーマパークで、ただエキサイトするだけじゃない、新しいカタチのAR活用について考えてみたいと思います。

テーマパークは楽しいが9割!残りの1割に課題を見つけてみる

テーマパークの広い敷地、曲がりくねった道、誘惑だらけの景色のおかげで、目的のアトラクションに全然たどり着かない……という経験はありませんか?迷子も楽しいテーマパーク!となればいいですが、子ども連れや車椅子ユーザーにとってはそうもいきません。せっかく来園したのだから、なるべく効率的に回りたいし、トイレやエレベーターの場所も把握したい!

パーク内マップや地図アプリの限界

今までは、目的地まで効率的に歩こうとして、パーク内マップや地図アプリに頼っていました。でも、パーク内で場所の確認をする時間ってあまり楽しくないですよね。堂々と地図を開くのも慣れていないみたいでちょっと恥ずかしいし、スマホのバッテリーを使うのももったいない……。マップやアプリに集中しすぎて周囲が見えなくなってしまう危険もあります。

移動もエンタメに!ARを活用したテーマパークの道案内とは?

パーク内迷子のせいで、せっかくの夢のような時間が現実に引き戻されてしまう……そんな事態は、今後起きなくなるかもしれません。そのカギを握るのが、ARです。

今、GoogleやAppleが力を入れている「VPS(ビジュアル・ポジショニング・システム)」という新しい技術が注目を集めています。たとえば、2022年5月にGoogleが発表した「ARCore Geospatial API」という技術(※1)。これは、Google Earthのデータと Google マップのストリートビュー画像データを利用して正確に得た位置情報にARを組み合わせる技術です。これによってGoogleのストリートビュー上で人気キャラクターに出会ったり、実際の街を舞台にした対戦ゲームなどのコンテンツが展開できるようになります。エンタメ目的以外にも、従来のただ現在地と目的地を繋ぐだけのナビゲーションシステムではなく、周囲の景色と照らし合わせながら、よりリアルに、より楽しいナビゲーションシステムが生まれるでしょう。

あなた専属のナビゲーターも!?新しいテーマパークの魅力

SplashtopのARアプリ「Splashtop AR」は、今いる場所から、離れた場所にいる技術者や管理部門の担当者などを遠隔で支援することを目的に開発されました。iOSやAndroid等のモバイルデバイスのカメラ映像を遠隔で別のコンピューターやモバイルデバイスに映すことで、視覚的に現状を把握しながら、音声通話を通して具体的な遠隔支援ができます。

このような機能を活用すれば、例えば、テーマパーク内を地方在住のスタッフがリモートで案内することも可能になります。現地のキャストを増やさなくとも、顧客満足度の向上につなげられそうです。

スマホ越しの案内では、来園者が歩きスマホにならないか心配?それなら大丈夫です。ARは現実世界にデジタル情報を重ねるもの。ちゃんとカメラ越しに周りの状況が把握できます。

小さな子供が一緒だったり、体が不自由だったり、そうでなくてもキャストを探して声をかけるのが難しい時もあります。ARが自分のためだけにナビゲートしてくれるなら、気兼ねもなく、安心して時間を過ごすことができます。

ARの急速な発展が追い風に!

さて、ここまでARの可能性についてご紹介してきましたが、そもそもARで道案内って本当に現実的なの?と思われるかもしれません。しかし、実はすでに実装段階まで来ています。2022年6月にAppleが発表した「ロケーションアンカー」(※2)という機能もまた、新しいナビゲーションの姿です。

iPhoneに搭載されたカメラを使って、ARで道をナビゲーションする「ARウォーキング」という機能はすでに一部の地域で使えるようになっています。

道に迷ったらiPhoneを掲げて周囲をスキャンするだけで、スマホの画面上に目的地への矢印が浮かびます。今見えている景色の中に進むべき方向が示されるわけですから、GPSで自分の位置を追いながら歩くのとでは、ずいぶんと世界が違いますね。

『Splashtop AR』のような高性能のリアカメラに特徴を持つサービスも既に出てきています。高い視認性で、まるで自分の目がもう1つ増えたかのような不思議な感覚を味わえるでしょう。

身近に迫ってきたARの世界。実現のためには、位置情報、音声通話機能、カメラが必要です。これらの必須アイテム、もうわたしたちはすでにスマホという形で手にしているのです。本当に、ARは目と鼻の先まで来ているのだと改めて気づかされます。

これまでのARは、ゲーム等のエンターテインメントとしてわたしたちを楽しませてくれるものでした。現在は、AR技術だけではなくデバイス自体の開発もどんどん進み、ARはもっと生活に近く、もっと便利になっていくはずです。

出典

※1
Google Developers 2022年5月11日
※2
Apple Developer
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