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Splashtop中の人のIoT実践記「IoTメダカの学校を作ってみた!」

Splashtop中の人のIoT実践記「IoTメダカの学校を作ってみた!」

身の回りのあらゆるものがIoT化できる世界になり、仕事に関わる部分だけでなく、趣味や生活も、IoTによって今までよりもっと便利に楽しくなるでしょう。

世の中のIoTを推進する一員として、日々難しい技術やシステムと向き合っているSplashtopですが、中の人にはちょっと身近なIoTを楽しんでいる人もいます。今回はIoTでメダカの学校を運営するSplashtopのWebエンジニア・K氏の事例をご紹介します。

Splashtop中の人/Webエンジニア・K氏

Splashtop社長室で働くWebエンジニア。事業のいろんなところに首を突っ込むのが主な業務。社長水野とは10年来の付き合い、Splashtop入社は2020年。

たった3匹から始まったIoTメダカの学校

我が社の社長はとにかく先進的なことが大好きで、たまたま、IoTのサービスを考えるなら、自ら作って体験してみないと!というような話になりました。そこで、生活に取り入れるならアクアリウムはどうだろうかと思いつきました。

もともと、テラリウムやアクアリウムといった自然環境を家で再現することに興味はありましたが、老後の楽しみにするつもりでした。しかし、ちょうどコロナ禍で家にいる時間が増え、「仕事にも生かせそうだし、趣味と実益を兼ねられるかも」という軽い気持ちで始めてみることに。

「どうせアクアリウムを作るなら、そこにメダカでも放ってみようかな……。」今まで生き物を飼ったことはなかったのですが、まあメダカなら熱帯魚や金魚よりもハードルが低そうだな、と思い(メダカには失礼ですが……)、インターネットで「メダカ飼育初心者セット」なるものを購入し、水槽と水草と、メダカを3匹入手しました。

そこからメダカの飼育についていろいろと調べ、「メダカにとって最適な環境をIoTで作る」というテーマに着地しました。まず最初に必要なのは水質管理と水温調整のための各種センサーの導入です。ここからは時系列でまとめていきます。

STEP1初手からつまづく!「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」が手に入らず、「micro:bit」でスタート!

水槽にセットするセンサーを動かすのは「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)(※1)」しかないと思っていたのですが、なんとコロナ禍でICチップの価格が高騰、しかも半年待ちという状態に。想定外の出来事に、初手からのつまづき……まずは「micro:bit(※2)」でスタートすることになりました。センサーも選び直しです。

※1 Raspberry Pi(ラズベリーパイ):ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ。

※2 micro:bit(マイクロビット):イギリスのBBC(英国放送協会)が主体となって作った教育向けマイコンボード

STEP2「micro:bit」による水位と水温を管理スタート

ご存知のとおり、「micro:bit」は小学校でも使われるような教育用のマイコンです。SplashtopのWebエンジニアである私が駆使するツールにしては少々シンプルすぎるのでは……と思いつつも、さっそく水槽にセンサーをつけ、水位・水温を「micro:bit」で送受信。毎日電光掲示板に快調に表示され、水位の増減情報のデジタル化はできたものの、それ止まりです。やはりデータの蓄積ができなければ……。日に日に「もっとこうしたい」という気持ちが生まれるようになりました。

STEP3ラズベリーパイ導入! 遠隔カメラでの観察もスタート!

2ヶ月経って、一度は諦めた「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」をついにゲット!専用のセンサーも購入し、Python(パイソン)でのプログラミングをスタートしました。

超小型PC「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」ではいろいろなことができます。センサーの商品名を検索すれば大体のことはわかります。あとはPythonで書き書きするだけ。スマートカメラも接続可能のため、ついにメダカの遠隔観察が始まりました。

STEP4スマートプラグで遠隔操作も実現!

スマートプラグは、コンセントに挿すだけで、接続した電気製品をIoT化する便利な機器です。いよいよSwitchBotのスマートプラグを水槽ライトとフィルターに設置してみることに。ライトはメダカの成育に必要な日照の代わりとして8時から18時までオン、フィルターはどうしても音が気になるので0時にオフ、朝8時にオンになります。出先からスマホで操作することが可能です。スプラッシュトップは基本リモートワークなので自宅にいるのですが(笑)

こんな感じで始まったIoTメダカの学校。3匹の初代メダカから、今では100匹を超える大所帯になりました。

IoTの目的は、自動化ではない!IoTメダカの学校での気づき

身近なところでIoTを活用してみようという目的で始めたIoTメダカの学校ですが、これを通じて気づくこともありました。

まず1つは、「すべてのモノ・コトをIoT化することが正しいとは言い切れない」ということ。実は、メダカの住環境を整えることには全力でIoTを推進してきたのですが、なんとなく、餌やりはIoTとは違うな、と思うところがありました。日々観察していると愛着も湧いてくるもので、餌やりというコミュニケーション接点を自動化してしまうことには今でも抵抗があります。メダカの命にも関わることですからね。

これは、スプラッシュトップの理念にも通じますが、IoTの利便性を最大限に活用する一方で過信しないことも大切です。命に関わる部分では、誤動作はあってはいけないのです。いくらIoTやVRが進化しても、現場によっては生身の人間の介入は必須だと思います。

2つ目は、IoTは手段であって、目的ではないということ。当たり前ですが、メダカの学校ではメダカにとって最適な環境を作り出すことが目的です。IoTは、それを便利にする一つの手段であるということに、改めて気づきました。ちょっと楽になるためのIoT、危険を減らすために自動化するというようなイメージです。

3つ目は、IoT化をスムーズに推進するためには、大きすぎる目標を掲げずに、できることから小さく始めていくと良いということです。最初から全部自分でがんばろうとせずに、既製品もうまく取り入れることもポイントです。

IoTメダカの学校を始めてからの自身の変化と今後の展望(笑)

メダカもどんどん増えて、水槽も増設しました。引きこもり人間の私が、朝、メダカのフィルター作動と同時に起床し、仕事中も水槽の前でメダカを眺める生活になりました。なんというか、単調な生活が彩られた感じです。増えていくメダカを眺めるだけでも心が癒されます。仕事でリサーチするのは辛いこともありますが、メダカIoTに関して調べるのは楽しいものです。

今後どこまでやるのか、自分でもよくわかりませんが、せっかくカメラが付いているのでLive配信なんてのもいいかもしれないですね。需要があるかはわかりませんが、いつでもできます(笑)。社内のミーティングでもメダカの様子を共有することがありますが、場の雰囲気も和んでいる気もします。

編集後記

ひょんなことから身近でIoTをソリューションしてしまったSplashtopの中の人の話を伺いました。IoTで何かやるぞ!と意気込むのではなく、自分の趣味や好きなことにIoTを組み合わせたらどうなるかな?という、ちょっとした挑戦が、IoTへの探究心を高めるのだと感じました。

続けるコツは、スモールステップ。いきなり大きなゴールに行こうとすると詰んでしまいます。既製品も使ってやってみることから始めて、物足りなくなったらAPI活用でカスタマイズする、というように、段階を踏んでいくのがおすすめです。今は技術が足りなくても、想像して考えるだけでも楽しいですよね。そんな風に、IoTが身近になっていくのかもしれません。

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