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AR未来予想図:事例や課題から進化するARの活用方法を考えよう

AR未来予想図:事例や課題から進化するARの活用方法を考えよう

近年、AR(拡張現実)技術が急速に進化し、私たちの日常生活やビジネスの現場で多くの可能性を開きつつあります。実際の現場にARを導入することにより、効率的な作業やリモートサポートが可能です。

さまざまな場面で利用され始めているARですが、そもそもどのような技術なのかわからない方もいるのではないでしょうか。また、ARの活用によってどのような未来が期待できるのかも想像しにくいものです。

そこで本記事では、ARの現在と未来を事例や問題点をもとに探求し、新たな活用方法を考えていきます。

ARとはリアルとデジタルを融合する拡張現実のこと

AR(Augmented Reality:アグメンティッド・リアリティ)は「拡張現実」のことです。拡張現実とは、現実世界に仮想空間を作り出す技術を指します。

たとえば、アップルストアのオンラインショップではARショッピング機能を導入しており、iPhoneやiPadを活用して実際に使用する部屋に、iMacやMacbook Airを試し置きできます。

ARは、スマホやタブレットのようなモバイル端末を活用するのが一般的です。また、スマートグラスをはじめとしたウェアラブルデバイスを活用して、視界の一部にデジタル情報を表示させることも可能です。

ARと他の技術との関係性

ARと他の技術との関係性について紹介します。

・ARとVR・MR・XRの違いと関係性

・ARと相性が良い5G技術

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

ARとVR・MR・XRの違いと関係性

AR・VR・MR・XRの違いは次のとおりです。

・AR:現実世界にデジタル情報を重ね合わせる技術

・VR:人工的に作られた空間の中で、現実にいるかのような体験を与える技術

・MR:ARとVRを組み合わせた技術で、MRゴーグルを装着して現実世界の中でもVRに近い体験が可能

・XR: 現実世界と仮想世界を融合して新しい体験を創り出す技術で、VR・AR・MRを含む拡張された現実の総称

ARは、VRやMRと同様にXRの一部といえます。また、ARでは主に視覚で体験しますが、VRと組み合わせることにより、リアルな世界で仮想現実を体験できるようになります。

ARと相性が良い5G技術

高速かつ低遅延の5G技術により、AR技術をさまざまな場面で活用できるようになりました。たとえば、オンラインの遠隔地授業でARコンテンツを用いれば、臨場感のある講義を実施できるようになります。

ゲーム関連でも、キャラクターの格闘シーンを5Gに対応したスマホを通して見ることが可能です。5Gは、ARをはじめとしたXRと相性が良く、ますますの発展が期待されています。

ARの未来とこれからの市場規模

ARの未来とこれからの市場規模についてみていきましょう。

・ARの活用による日常生活や働き方の変化

・AR市場規模はこれからも拡大予想

ARの未来はどのようになっていくのかを解説します。

ARの活用による日常生活や働き方の変化

AR技術は、家族との遠隔コミュニケーションやリアルタイムイベントの視聴など、生活のあらゆる側面で大きな変化をもたらす可能性があります。現実空間と仮想空間を結びつけることで、作業やコミュニケーションの利便性が向上し、日常生活が革新されるのです。

さらに、ARは業務改善や働き方改革の推進、新たな生活様式の創出にもつながると期待されています。

AR市場規模はこれからも拡大予想

イギリスの調査会社PwCによると、2020年のVRやARの経済効果は957億米ドルで、2019年の464億米ドルから急拡大しました。自動車・ヘルスケア・教育・建設・流通など、あらゆる業界でAR・VR技術の導入が進んでいることが成長の理由です。

さらに、2030年には市場規模が1.54兆米ドルに達し、2019年比33倍以上の成長が見込まれています。なかでも、AR分野はVRの2倍以上の経済効果を生み出すと予想されています。

参考:VR/ARが「空間コンピューティング」で仕事と暮らしを"便利"に、今後10年で経済効果は30倍超へ|日経xTECH

AR未来予想図:事例や課題から進化するARの活用方法を考えよう

ARがもたらす未来の活用シーン

ARは今後、以下のようなシーンでの活躍が期待されています。

・シーン1.ARを活用したテーマパークの道案内

・シーン2.ARを用いた安全に配慮した後継者育成

・シーン3.ARによる訪問サービスにおける問題の解決

それぞれの活用シーンについて詳しく説明します。

シーン1.ARを活用したテーマパークの道案内

SplashtopのARアプリ『Splashtop AR』は、今いる場所から離れた場所にいる技術者や管理部門の担当者などを、遠隔で支援することを目的に開発されました。iOSやAndroid等のモバイルデバイスのカメラ映像を、遠隔で別のコンピューターやモバイルデバイスに映すことで、視覚的に現状を把握しながら音声通話を通して具体的な遠隔支援ができます。

たとえば、テーマパーク内を地方在住のスタッフがリモートで案内できるようになります。現地のキャストを増やさなくとも、顧客満足度の向上につなげられそうです。

「スマホ越しの案内では、来園者が歩きスマホにならないか心配」という問題も解決可能です。ARは現実世界にデジタル情報を重ねるものであり、周りの状況もカメラ越しにしっかりと把握できます。

小さな子どもが一緒にいる・足をケガしているので自由に動けないなどキャストを探して声をかけるのが難しいときもあります。ARが自分のためだけにナビゲートしてくれれば、気兼ねなくパーク内で楽しい時間を過ごせるでしょう。

シーン2.ARを用いた安全に配慮した後継者育成

まだAR活用がされていない現場でのAR活用は、次のような例が挙げられます。

・高所など高齢の技術者が行きにくい現場で、若手(後継者)が現地に赴き、ARを介して指示出しを行う。

・長年高所の設備メンテナンスを行ってきたベテラン技術者に代わって、若手の技術者が現地で点検箇所の様子をARで点検する。リアルな画像を見ながら現地の若手技術者に指示を送る。

このような働き方は、若手のトレーニング機会の創出だけではなく、専門性のある高齢者の雇用を守ります。技術継承の新しいスタイルとして、今後いろいろな分野で広がりを見せていくでしょう。

シーン3.ARによる訪問サービスにおける問題の解決

家電の修理、パソコンの不具合などでメーカーの担当者が自宅に訪問する際、サービスの受け手はプライバシーや個人情報の観点でストレスを感じやすくなります。提供側も、訪問中に追加作業が必要と言われたらその場で判断するのが難しく、想定外のサービス要求をされるリスクも否めません。

ARが組み込まれたリモートサービスであれば、通常の音声通話と違い、実際の映像を見ながらARで作業や指示ができます。原因次第では、訪問せずとも解決できる可能性もあります。また、問い合わせにはワンタイムパスワードを利用すれば、双方とも安心してサービスの授受が可能です。

このような働き方は、雇用創出のみならず、適切な労働環境、フェアな取引条件を確立することにもつながります。

AR技術の活用事例7選

次に、実際の企業におけるAR技術の活用事例7選を紹介します。

・事例1.ARで街中をナビゲーション:Apple

・事例2.降雨情報をARで可視化:株式会社島津ビジネスシステムズ

・事例3.ARを活用したスタンプラリー:紋別市

・事例4.スマホでメイクのお試しが可能:株式会社ZOZO

・事例5.AR活用でピッキングの負担を軽減:日本電気株式会社

・事例6.工場の遠隔操作支援にARを活用:ネスレ日本株式会社

・事例7.ARを活用したエンジニアトレーニング:Aggreko

AR導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

事例1.ARで街中をナビゲーション:Apple

iPhoneに標準で搭載されているアプリ『マップ』のAR機能を活用したナビゲーションが可能です。iPhoneのカメラを使い、現実の風景に通りの名前や方向指示をAR表示で重ねることで、ナビゲーションが開始されます。

時々現物の風景にカメラを向けて建物をスキャンし直したり、立ち止まって画面を確認したりと、多少の不便さはありますが、ナビゲーションそのものはスムーズです。

ただし、ARウォーキングを使用できるのは対象エリアのみです。使用したい場合は、現在いるエリアが対象となっているかを確認しましょう。

事例2.降雨情報をARで可視化:株式会社島津ビジネスシステムズ

株式会社島津ビジネスシステムズが提供する『アメミル』は、ARとAIを活用してリアルタイムで降雨情報を可視化するアプリです。降雨情報をAIが予測し、ARがリアルな映像としてスマホの画面に表示します。

ARモードでは、周囲10kmの降雨情報を、雨雲と雨・水たまりにできる波紋でカメラ画像に合成し、可視化も可能です。また、ウィジェットやプッシュ通知にも対応しているため、急に雨に降られてずぶ濡れになるリスクも軽減されます。

事例3.ARを活用したスタンプラリー:紋別市

ARは観光業でも広く活用されています。一例として、スタンプラリーを紹介します。

紋別市では、2024年1月10日〜3月31日まで、スマホアプリを活用してARスタンプラリーを開催しました。ARを活用したスランプラリーは、用紙を持ち歩く必要がないため、気軽に参加できる点が魅力のひとつです。

スタンプラリーは、スタンプを集める・景品をもらえる・抽選に参加できるなど、さまざまな楽しみ方があります。幅広い年齢層の参加者が、スタンプを探すために観光地を巡り歩くため、地域活性化が期待できます。また、SNSで名所が拡散されれば、観光アピールにもつながるでしょう。

事例4.スマホでメイクのお試しが可能:株式会社ZOZO

株式会社ZOZOが運営するZOZOTOWN上のコスメ専門ショッピングモール『ZOZOCOSME』では、スマホのカメラ機能を使ってメイクを手軽に試せるサービス『ARメイク』を展開しています。

店頭ではメイクを落とさなければならないため、一度に試せるコスメアイテムの数に限りがありました。ARメイクを利用すれば、さまざまなブランドやカラーのアイテムを試せるほか、メイクの濃さも自在に調整可能です。じっくりと時間をかけてアイテムを選べるため、好みの色や自分に似合う色を見つけやすくなります。

気に入った商品はそのまま購入も可能なため、ユーザビリティとともにマーケティングの面からみても、ARメイクはメリットが大きいといえるでしょう。

事例5.AR活用でピッキングの負担を軽減:日本電気株式会社

日本電気株式会社では、効率的で正確なピッキング作業を実現するために、ARを積極的に活用しています。ARを使用したピッキングシステムは、担当者にスマートグラスやプロジェクタを通じて、必要な商品の正確な位置や取り扱い手順をリアルタイムで案内します。このような支援により、新人や経験の浅い担当者でも迅速かつ確実にピッキング作業を行うことが可能です。

ピッキングミスは、顧客への誤配送や在庫の不整合など、企業にとって大きな損失を引き起こすリスクがあります。また、人的ミスによる精神的な負担も無視できません。ARがピッキング作業をサポートすれば、これらのリスクや負担を大幅に軽減可能です。AR技術によって担当者は直感的に作業を進められるようになり、高い精度でのピッキングが実現しています。

事例6.工場の遠隔操作支援にARを活用:ネスレ日本株式会社

ネスレ日本株式会社では、世界中の拠点の工場と専門人材を、リモートアシスタントのツールでつないでいます。これにより、スタッフが現地に赴くことなく工場のサポートが可能になり、多拠点での作業を同時並行することで、グローバル規模での業務効率化が進んでいます。リモートアシスタントに用いられているのは、リモートデスクトップ、スマートグラス、360度カメラや3Dソフトウェアといったツールです。ARの活用によって、製造ラインのセットアップや再設計、メンテナンスや装置メーカーとの機器点検などの作業が遠隔にて行われています。

事例7.ARを活用したエンジニアトレーニング:Aggreko

イギリスの臨時電源および、冷凍・冷却温度制御機器レンタルソリューションの世界最大手企業Aggreko(アグレコ)では、サポートエンジニアのトレーニングにARを活用しています。適切なトレーニング機会を創出できただけではなく、年間約50万ドルものトレーニングコストの削減効果があったそうです。さらには、タイムリーに適切な情報提供ができることで、離職率低減の手応えも感じているといいます。

AR技術の問題点

将来性が期待されているARですが、技術的な問題面もあります。たとえば、次のようなものが挙げられます。

・問題点1.ARの技術的な制約がある

・問題点2.プライバシーとセキュリティの問題がある

・問題点3.開発費用や時間が大幅にかかる

それぞれ詳しくみていきましょう。

問題点1.ARの技術的な制約がある

ARには、まだまだ技術的な制約があります。

ARはスマホを使うのが主流であるため、街中では「歩きスマホ」になってしまうおそれがあります。高い処理技術を使ったARを一般的なデバイスで表示させたくても、処理能力が追いつかないという問題が発生するのです。そのため、一般的なデバイスで表示できるようにバランスを考えなければなりません。さらに、スマホの画面内のみの表示となるため、表示領域に制限があることも課題のひとつです。

スマホでARを表示するときは、スマホの性能はもちろん、回線状況やバッテリーの残量の影響も受けることを考慮する必要があります。

問題点2.プライバシーとセキュリティの問題がある

ARを活用するにあたって、プライバシーやセキュリティには十分に気をつけなければなりません。

たとえば、車のナンバーや人が意図せずに写り込み、情報が流れてしまうとプライバシーの侵害につながります。ハッキングをはじめとしたサイバー攻撃による、情報漏洩のリスクが伴うことも忘れてはいけません。

今後、ARが日常的に活用されるようになれば、セキュリティリスクはさらに高まっていくでしょう。そのため、プライバシーやセキュリティに関する対策は、現時点から実施することが求められます。

問題点3.開発費用や時間が大幅にかかる

ARをビジネスに導入するには、多くの開発費用や時間がかかります。開発するアプリによって異なりますが、費用は数百万〜数千万円、時間は1,000〜1,600時間程度かかるといわれています。

導入費用をできるだけ抑えるには、補助金制度を活用するのがおすすめです。「IT導入補助金2024」のような制度を使うと、ARを導入する経費の一部を補助してもらえます。興味がある方は、公式サイトで補助対象や要件をチェックしてみてください。

また、近年ではノーコードでARを提供しているサービスがあるため、導入を検討してみるのもよいでしょう。

参考:IT導入補助金2024

ARツール『Splashtop AR』で広がる将来性

『Splashtop AR』は技術者や管理職、モバイルワーカーをサポートするARツールとして開発されました。

リアルタイムの高品質なカメラ映像を通じて、現場のスタッフやクライアントを遠隔でサポートできます。音声通話機能も備えているため、スマホひとつで遠隔作業が可能です。

たとえば、テーマパーク内の案内や、地方在住のスタッフがリモートでサポートする場面で活用できるでしょう。直接声をかけることが難しい状況でも、ARがナビゲートすることで快適な体験の提供が可能です。

Splashtop ARは、次のようなセキュリティ対策も十分に実施しています。

・SSL/TLSによる通信でユーザーIDとパスワードを暗号化

・SOC2(ITサービス企業における内部統制の監査)準拠

これらの対策により、より安全なリモートサポートが可能です。

テクノロジーを活用した遠隔支援が普及すると、業務がスムーズに進むだけではなく、距離を感じさせないコミュニケーションの実現が期待できます。

ARを事業に活用したい方は、Splashtop ARの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

Splashtop ARについてはこちら

AR技術を効率良く活用して明るい未来を築こう

AR(Augmented Reality:アグメンティッド・リアリティ)は、現実世界に仮想空間を作り出す「拡張現実」のことです。近年では、私たちの日常生活でもARが活用されるようになり、生活の利便性向上や新たな働き方の創出が期待されています。また、ARの活用により、ビジネスチャンスも生まれやすくなるでしょう。

ARを活用して、その場にいなくても遠隔から支援できる仕組みづくりに役立つのが、リモートサポートツール『Splashtop AR』です。興味がある方は、ぜひ下記よりお問い合わせください。

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